赫姫
「美しき女庭師」で有名なイケメン過ぎるといわれるラファエロの絵もありますが、美人という名前が付く作品だと、有名なのは見返り美人図、後ろ姿の美しい女性です。
英語だとBeauty looking back(英語の会話は苦手ですが、こうだったような気がします)、振り返りという動きがあるので、こちらは絵だけでなく、モデルさんのポーズにも良さそうでしょうか。浮世絵の祖と称賛される菱川師宣の代表作品のひとつなので、写真や絵の世界を飛び越して、このポージングをチェックしている人たちは多そうです。細かくプラスしていくと、やわらかい丸みのある輪郭、ロングヘアの美人のこういう垂らしている髪型もポイントです。横顔だとEラインに注目する人も多いかもしれないですが、余裕がある印象、美人で優しい顔の印象をもている人もいるでしょうか。見とれる雰囲気です。
絵ではなくリアルな人の顔なら、上唇に対する下唇の厚さの比率もポイントでしょうか。
美人といえば
微笑みの美人で有名なモナリザ(天才画家・レオナルド・ダ・ヴィンチの作品)も定番、斜めの角度からですが、この女性の動きのあるポーズ(角度)はほかの女性たちと違います。トレンドファッションであったり、アイテムであったり、そういった物を見せて紹介するファッション雑誌のようなイメージです。色々ポイントはあるのですが、やっぱり動きについて解説される例が多い印象です。
美容師の人やおしゃれで綺麗な人が言っていたのは、今の時代の美しさだと前髪の比率調整、後頭部に高さとボリュームをつくるといいよということでしたが、このあたりは日本だけでなく歴史上のヨーロッパの肖像画を見てもわかりやすいです。
骨格的なことも具体的にプラスしていくと、
日本人の場合は、欧米人と比較すると後頭部の奥行きがあまりないです。残念な気持ちになる人も多いかもしれないですが、そこで後頭部にボリュームを出すことで、足りないところを足せるイメージで希望が広がるのかもしれないです。
三大美人(京美人・博多美人・秋田美人)も興味深いですが、「日本人の美人」や「美人のルーツ」つながりだと、飛鳥美人の服装や極彩色も魅力的ですが、美人画で有名な作品だと喜多川歌麿呂の美人画もとりこぼせないです。「美人画といえば、喜多川歌麿呂」という言葉もあって、こちらも分析・解析していくとおもしろいです。
特にそのなかでもきわめて有名といえるのが「当時三美人(とうじさんびじん)」です。実在した美女たちなので、ドキドキします。
美人がどこにいるのか?気になるという人も多いかもしれませんが、美人を追求している人たちにとっては、有名な3人といえそうです。上にいるのが、富本豊雛(とみもととよひな)、右下にいるうちわを持っている美人がおきた(水茶屋、浪花屋)、向かい合って左にいるのが高島おひさ(両国・煎餅屋の娘、その店が経営する水茶屋の看板娘)すごいざわつく美人茶屋のイメージです。おでこの広い人か、狭いかについての判断はひとそれぞれでしょうか。目と眉毛の近さや、もみあげもチェックポイントのひとつにしている人も多そうです。
寛政三美人(かんせいさんびじん)美人度は高いです。「江戸三美人」の言葉もあるので興奮します。
この美人たちの顔の特徴もチェックポイントです。細かくよく見ると、眉の描き方のこの角度と、唇の描き方(口の大きさも)、おでこ、目の大きさもそうですが、鼻筋の描き方も美女たちは似ているようで微妙な違いがあるので興味深いですし、顔の中のパーツのバランスのとり方、この美人たちの綺麗な顎の形(顔の下半分)にも注目です。
(マジックナンバー三の数字は縁起のいい数字といわれていたり、昔から色々と重宝される数字ですが)
これと似たようなものだと「当時三美人」というものもあって面白いです。
平安美人だと引目鉤鼻(ひきめかぎばな)の描き方も有名ですし、この顔の描き方の表情だと感情移入しやすいですが、
匂いを感じる美人だと例えば、渓斎英泉(けいさいえいせん)の美女を思い浮かべる人も多いかもしれないです。技法やテクニック系の表現話題で盛り上がる人も多そうです。
絶世の美女といえば、
海外(外国)にも目を向けると、フランスのフランソワ・ブーシェ、ポンパドゥール夫人の肖像画も綺麗です。女性の背景から頭のいい雰囲気も見て取れます。人形のような美人、美肌感に見とれる人もいそうです。
例えば、アール・ヌーヴォーで人気のグラフィックデザイナー、イラストレーターetc.のアルフォンス・ミュシャつながりで花も似合うサラ・ベルナールも美人女優といえますし、ほかに、北のモナリザ→ロシアのモナリザ→オランダのモナリザで思い出したイワン・クラムスコイの「忘れえぬ女(ひと)」もきれいですし、
他の角度からつっこんでいくと、コントラスト美、印象的な色のきれいな絵だと「真珠の耳飾りの少女(青いターバンの少女)」の絵は、ヨハネス・フェルメールの代表作のひとつで、はずせないかもしれないです。日本でも人気のオランダの画家といえます(カメラオブスキュラの方法でもおなじみ)。トローニー(オランダ語・顔、頭部の習作などetc.)については、肖像画でも実在の人物でもなく、想像上の人物(モデルなし)を自由に描くような人物画ジャンルのような内容で、個人的にはとらえてます。
くわえて具体的に入れていくと、色彩的にはフェルメール・ブルーの青と、黄色etc.存在感が高まりそうな暗い色の背景に映えます。高価なラピスラズリもすごいですが、青色はターバン、黄色はジャケット、後頭部からの布もです。美容に詳しい人やファッション雑誌で、顔周りに白(襟)をもってくるといいよ(レフ板効果など)パッと明るくなるよ、というアドバイスで思い出しましたが、このあたりもテクニックといえそうです。シンプルに美少女の絵です。実際の具体的な眉の描き方だと、画材の使い方と同じで、濃く描きたいときはペンシルを短く持つ、うすくふわっと描きたい時は長めに持つやり方などもあると思いますが、彼女の眉毛については気になる人も多いでしょうか。真珠のイヤリング(大粒)の光のハイライト効果も立体的な輝きのある塗り方で魅力的ですが、潤んだ目と濡れた唇にも引き込まれるチェックポイントのひとつです。この書き方だとパーツの美しさも目立つ感じです。
ドキドキするような赤色の、唇の色の塗り方もきれいなので、例えば今の時代だとリップグロスや口紅のポスターにもきれいな気がするような絵です。濡れたようなツヤのぽってり唇など、このあたりの話題は化粧品やメークアップグッズが好きな人たちも詳しいかもしれないです。
実際、メイク上手の女性たちのリアルなメイク方法の裏技も例にしていくと、鼻の下の長さを短くする方法として上唇のくぼみをちょうどいい感じに埋める方法などもあるそうですが、
具体的に突き詰めていくと、下唇はの中央のあたりに白系ハイライト、上唇は輪郭をぼかしているような塗り方で、引き寄せられます。
赤といえば、赤い帽子の女性のブージヴァルのダンス(ルノワール)もうつくしいですし、美男美女カップルのイメージだとトマス・ゲインズバラ(画家名前)のアンドリューズ夫妻の肖像を思い浮かべる人もいるかもしれないです。人物についてはおいておきますが、スペースをつくって空けている構図で大胆に空間を使っているイメージで楽しめます。
イケメンでかっこいいといえば、ブラームスについてはおいときつつ、アンリ・レーマンのフランツ・リスト(ピアニスト、アイドルの元祖、ピアノの魔術師etc.)の絵も、音楽家の肖像画のなかでは有名かもしれないですが、パルミジャニーノの凸面鏡の自画像の描き方も美少年のようなイメージで興味深いです。
おもしろいのでプラスで付け足していくと、雑誌やテレビ、絵画や彫刻でもよく見るモデルやキャラクターのかっこいい立ち方(ポーズ)も参考になると思います。コントラポスト(ボッティチェリのヴィーナスの誕生やミケランジェロのダビデ像なども)もあるので、深堀りしていくと興味深いです。
つかみとっていくとコントラポストは、片足側に重心をかけると腰にひねりが入るので人物のポーズとして重宝されてるイメージです。男女問わずです(見返り美人図のひねりと比較してみると楽しくなります)。
最近は世界的な名画、モナ・リザのようなアルカイックスマイル(archaic smile、ギリシアの人物彫刻微笑み)も人気ということですが、ミステリアス日本のアルカイックスマイルといえば飛鳥時代の仏像などは、とりこぼせないです。仏像の顔や頭部デザインもおもしろく、左右対称のシンメトリー美の釈迦三尊像(ポイントはアーモンド型・杏仁形きょうにんぎょうの目と眉の描き方はアーチ、鼻の下の溝がはっきりで鼻筋はスッと通っていて小鼻が大きい面長の顔のタイプ)もアルカイック・スマイルに当てはまるかと思います。アルカイックはギリシア語のアルケー(古拙の、始まりなど)に由来していて、古式微笑、古拙の微笑、ほかに神秘的微笑などの表現が多い気がしますが、微笑みそのものでなくても広角をほんのすこし上に上げてるようなイメージです。アルカイック期の大理石彫刻の生命力も引き寄せられます。この時代の芸術家、アーティストetc.たちもすごいです。
微笑み(笑顔もふくめて)はいつの時代も人気のようです。弥勒菩薩半跏像(みろくぼさつはんかぞう、宝冠弥勒)や観音菩薩立像(かんのんぼさつりゅうぞう、救世観音)の微笑み、この笑い方も魅力的です。
つい細かいところまで見てしまうので不思議です。
あるあるですが美人画のほかに、簡単にひもといていくと、役者絵とは何か?というと歌舞伎役者の浮世絵で、人気スターたちのブロマイドのようなイメージでとらえるとわかりやすいかもしれないです。流行猫の狂言づくしの立ち姿ポーズもキリッとしていてかっこいいのですが、歌舞伎の「見栄(みえ)」のかっこいいポーズといえば、男性が魅力的なポーズをしている「役者舞台之姿絵 たち花や」もあります。日本なら、イケメンで人気の帝釈天騎像もチェックポイントです。バランスがいいです。
黄金比と白銀比
うつくしいつながりでいくと、特に有名な比率、黄金比については1:1.618でパリの凱旋門やパルテノン神殿でも有名ですが、これについてはまた新しいカテゴリでピックアップしてみます。こちらも女性たちのメイクアップ方法や仕方にも関連するということで、一般的にも名前だけなら聞いたことがあるよという人も多いようでうれしくなります。
熱を入れていくと、日本といえば白銀比も人気といえます(最近は白銀比メークという用語も聞きましたが、ちょっとそれについては色々あるのでまたいいときにします)。
白銀比は縦横の比率が1:1.414になり、黄金比と比較すると比率がわかりやすい感じです。黄金比が美しいやかっこいいなら、白銀比はかわいいというイメージに近いでしょうか。大和比ともいわれていて、糧になる感じです。日本っぽい比率という感じで、うれしくなりますが、まんがやゲームのキャラクターに限らず、かわいいを目指すなら丸いシルエットにするという有名なやり方もわかりやすいです。ゆるかわもそうです。
展開していくと、目を大きくすることでかわいい見た目にする方法もあると思いますが、とあるアニメの登場キャラクターの顔の縦幅と横幅をよく見ると、だいたい1:0.7、8、9くらいだったので、こちらもこういう顔の比率だとかわいい範囲に当てはまりそうです。
遺伝子の話題についてはおいときつつも、絵でもリアルでも、シンメトリー度合い・左右対称性の高さもポイントといえます。
ほかに例えば、タマラ・ド・レンピッカの美しさも有名といえますが、美人な絵画だと人によってダンテ・ゲイブリエル・ロセッティの「プロセルピナ」をタイトルは知らなくても思い起こす人もいるかもしれないです。雰囲気のある作り方、美人女性です。マリアつながりでいくとラファエロの抱きしめる小椅子の聖母やカルロ・クリヴェッリのマグダラのマリアの名前もあがりそうで、楽しめます。
西洋・ヨーロッパの美人といえば、マリー・アントワネットとエリザベート・ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン(フランスパリ生まれの美人画家)のペア、髪型もおしゃれですし、ユーモアの美人・変顔の美人といえば「としよりのよふな若い人だ」なども思いつきます。
リアルな人の外見については気にならないですが、
美人の条件や基準は時代や文化によるかについてもそれぞれおもしろいです。
リクエストが多ければ、またリアルな具体例と合わせて、このあたりもひもといていきます。
このブログを読んでいる人だと、外見の美しさつながりでウォーキングやタバタ式などについて詳しい人も多いかもしれないです(このあたりについては教えていただけるとありがたいです)。
完璧にはできないタイプですが、日数おかずにがんばります!
今日も一日、お付き合いいただきありがとうございます!!
(本)参考資料
マリオ・リヴィオ著. 黄金比はすべてを美しくするか? −最も謎めいた「比率」をめぐる数学物語−. 斉藤 隆央訳. 東京, 早川書房, 2005, 346p.
セミール・ゼキ著. 脳は美をいかに感じるか −ピカソやモネが見た世界−. 河内十郎監訳. 東京, 日本経済新聞社, 2002, 443p.
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