より細かい見方でいくと、ひねりぐあいや、全体的にどんなポーズをしてるか、何等身か( 2等身、8等身かとか)、表情はどうなってるか(口を開いてるか、笑顔か)とか、そういったポイントも気になるので見てますが(写真のリアルな人間のモデルのポージングと完全に同じとはいえないですが)、キャラクターイラストもそうだと思いますが肖像画や人物画と共通するところもあって、このあたりは特におもしろい点です。
外国の種類
「人形とは?」でパッと思い浮かぶのが、ビスクドールだったり、ハニワ(埴輪)の馬、木製人形なこけしなど、そのときによって色々だったりするのですが、海外の人形も日本の人形も、種類が気合が入るほど多いです。
(思いつく順番からひもといていきますが、わかりやすいのでいくらか漢字に読み方をつけてます。ふりがながなくても読めるという方、すみません。)
@ビスクドール
「ヨーロッパの人形といえば?」の質問で、開口一番にこのビスクドールの名前をあげる人が多そうなイメージです。テディベアと同じくらい、漫画やアニメ、ゲームなどでも女の子や男の子が手に持っていそうな人形でもありますが、ビスクドールの体型や目もチェックポイントです。子供の姿のベベドールや大人の女性姿もありますが、作家さんの手作りもそれぞれ個性があって興味深いところです。
「ビスクの意味とは?」にも一応触れておきます。二度焼き(ビスキュイ)、フランス語ということでビスケットが食べたくなる人も多いでしょうか。海外のドールハウスも興味深いですが、ビスクドールといえば高級、貴族に愛される豪華な美術品というイメージから、そのイメージも変わってきた印象です。セルロイドドールや、アメリカのコンポジション通のあのあたりです。目が開いてると楽しくなる人も多いかもしれないです。
絵の話題でいくと、フランス人形の雰囲気で連想すると、ヴィジェ・ルブラン(エリザベート=ルイーズ・ヴィジェ=ルブラン)のマリー・アントワネットも思い浮かびます。女流画家なので新しくピックアップリスト入りしてますが(マリー・アントワネットもきれいで有名ですが彼女もすごく美人だったそうです)、ヴィジェ=ルブラン夫人とその娘など、絵の描き方、作品の画風も好きなのですが、気配りの仕方などそういうところも好きだったりします。マリー・アントワネットと同い年で同性だっただけではなく、お気に入りの画家とされる理由が少なからずわかる気がする画家です。似顔絵を描く人だと肖像画や人物画に詳しいと思うので、聞ける機会があればチャンスかもしれないです。
せっかくなので追加しておくと、ファン・メイテンス(画家の名前)のオーストリア皇女マリー・アントワネットも肌の感じとかきれいです。
ディエゴ・ベラスケスはスペイン人の画家ですが(ハプスブルク家つながりというわけではないですが)、ラス・メニーナス(フェリペ4世の家族)のような王女マルガリータも、こういったドレス姿だったり衣装のせいか(国によってファッションの流行だったり細かい部分は色々だったとしても)ビスクドールを見ると頭の中でなぜかつながって楽しくなります。
バラ色のドレスのマルガリータ王女から白と銀のマルガリータ王女へ、そして青いドレスの王女マルガリータ・テレサ(作品名)etc.を見てると、アルバムを見て楽しむ感じと似てる感じです。
Aセルロイドドール(セルロイド人形)
ビスクドールの国といえば、フランスと言う感じですがセルロイドはドイツだったりイギリスのあたりが思い浮かんだりするので、世界の人形も、チェックしてみるとおもしろいと思います。
B他
チャイナドールは磁器、ワックスドールはろうでできてます。木で作られてるウッドゥンドール(wooden doll)。ウッドゥンドールと聞くとイギリスを思い浮かべるときが多い気がします。歴史を感じます。南アフリカのズールー族の人形、ロシアのマトリョーシカも魅力的です。民芸品の世界もおもしろいです。人形関連の曲のタイトルで思い浮かぶのは、ひな祭りの歌や人形の夢と目覚め、子供のころからほしかったあこがれのくるみ割り人形ですが、このあたりは人それぞれ色々あるようで興味深いです。
・個人的に特別な人形
脳外科医ペンフィールドのホムンクルスです。
とあるカテゴリで自分のなかのベストランキングに確実にランクインする人形です。図のタイプも人形のタイプも衝撃的でしたが、人体好きのみなさんにはおなじみといえるかもしれない、個人的なインパクト度合いでは文楽人形(ぶんらくにんぎょう)と同じくらいですが、文楽人形が時間差なら、こちらは一瞬でした。
もうひとつ、これもちょっと趣旨とはそれますが、デッサン人形にも触れておきます。画材店にしかないだろうと思っていたら、100均で目撃情報をゲットしてびっくりしました。子供の頃に、これを持ってる人は本格的というイメージがあってあこがれてた人形です。
日本の人形
C姉様人形
これも子供のころに持ってて嬉しかった思い出があります。紙人形の簡単キットみたいな感じで、作り方や折り方といっしょに紙でできてる顔も入っています。私が実際に持っている姉様人形は、髪型(髪の毛)だけの絵が描いてあって目鼻口は自分で描き込めるタイプで、初心者でもたぶん多くの人が手軽に始められる感じのものです。
姉様人形だと島根県の松江市や、山形県(鶴岡市)、秋田県(横手市)などをイメージする人が多いかもしれないです。手作りして楽しむのが醍醐味という感じですが、きれいな和紙(折り紙)だったり千代紙を折りたくなかったのか、最後まで完成しないまま、顔の部分や着物部分の和紙のパーツだけが残っていますが、いい思い出です。絵柄を手に持ってるだけで幸せなので、折っても折らなくても良くて、確保してるだけでよろこびがあります。
値段が安いにも関わらず、何気なく箱の中身を開けてから、いつのまにか良いものを手に入れてたことに気づきました。姉様人形といえば、和紙の魅力も楽しめることもひとつ(私のところには、パッと開いてる花柄や、羽をのびのび広げた和風蝶々のデザイン、真っ赤な紅葉の図案などの和紙が入ってました)と思いますが、最近は100均の和紙もきれいでお店でびっくりしてます。日本の文様(模様、紋様など)の種類や名前については(小紋柄も好きなので)新しくピックアップしますが、洋柄と同じくらい和柄も綺麗なのでおすすめです。
姉様人形といえば、日本のお土産にもいい気がします。軽いのと腐らない(食べ物ではないので日持ちを気にしなくていいので)コンパクトサイズというのか紙人形なら厚みも薄いほうで「手軽に、気軽に」の理由でも、絵やデザインとしてだけでなく、着物の形だったり柄などから日本らしさを感じられる人形なので、個人的には人気ベスト10紹介や海外の方へのお土産おすすめベストランキングなどに入ることを期待してます。
D文楽人形(ぶんらくにんぎょう)
文楽人形師で大江巳之助(おおえみのすけ)さんという方がいらっしゃいました。文楽人形も絵心をくすぐります。人形浄瑠璃(にんぎょうじょうるり)の字面や音の響きも好きです。人形浄瑠璃といえば歌舞伎が思い浮かびます。マリオネット(糸で操る)だったり、指を使うギニョールなど手を使う系もいろいろ、おもしろそうなものがあってワクワクします。
(ガブ(頭部、かしら)などもインパクト大ですが)人形浄瑠璃といえば近松門左衛門(ちかまつもんざえもん)とたぐりよせてみたり、こちらの世界もぐっと覗いてみるといろいろおもしろいです。
Eハニワ(埴輪)
古墳時代も追加しておきます。子供の頃、このはにわの馬が好きでした(馬形埴輪)。馬具がついてて「服着てる、かっこいいなぁ」と思ってました。インドのゾウの装飾と同じで、馬具をつけてる馬も個人的に好きなのでピックアップしてみました。人間型のハニワもお気に入りですが(表情が自由な感じのゆるかわ系)、動物型の埴輪も興味深いです。
F土偶(どぐう)
国宝のところでも触れた土偶です。合掌土偶(がっしょうどぐう)は指を組んで座っている土偶、縄文の女神はモデル体型でプロポーションが良いといわれる土偶、中空土偶(ちゅうくうどぐう)、逆三角形の仮面の女神etc.目白押しです。ハート型の顔の縄文のビーナスは、切れ長の目も魅力的です。
いつのまにかハニワと土偶が頭の中でまざってしまうときがありましたが、縄文時代、犬派か猫派か?みたいな質問で、ハニワと土偶どちらが好きですか?の質問もあるかもしれないです。ハート型の模様のある動物も可愛いですが、キラキラすべすべのハート形土偶の独自の可愛さも忘れられないです。ほかに、どっしりした感じの土偶も安心感がありますが、仮面の女神のアシンメトリー(非対称)の模様やグルグル模様もチェックポイントです。
G市松人形(いちまつにんぎょう)
着せ替えができたりします。最近は髪型や着物も現代風アレンジのような感じで変化してるようですが、おかっぱな感じの女の子だけでなく男の子もいますし、お腹を押すとなく人形もものすごく気になる人形でもあります。
子供の頃家にあったのですが、市松人形みたいな人形を題材にした怖い(ホラー系)ドラマをテレビで見てしまいました。アニメや漫画、映画などいろいろな分野で、縁起物や幸福のシンボルであったり、かわいい感じなどもっと良いイメージが広がって浸透すればいいと祈る人形です。
文楽人形のところで歌舞伎の名前にもちょっと触れましたが、市松人形の名前の由来は歌舞伎役者の方の名前からきているので(佐野川市松)、そういうところも魅力的です。
ここで絵と模様について再開します。市松人形といえば、東洲斎 写楽(とうしゅうさいしゃらく、とうじゅうさいしゃらくなど、絵師の名前です)のさっき触れた佐野川市松(さのがわいちまつ)の絵が思い浮かびます。東洲斎写楽は役者絵、大首絵(おおくびえ)の絵師としてよく名前がでます。三世大谷鬼次の奴江戸兵衛(読み方は、さんせいおおたにおにじのやっこえどべえ)の作品は見たことがあるという人も多いかもしれないです。謎が多くミステリアスな絵師としても有名です。
デフォルメとリアルが1つの中にまじえてミックスしてるような印象の絵で、雲母摺り(雲母刷り、きらずり、うんもずりなど)の技法についてはまた新しくピックアップしますが、大きくて面長の顔にユニークなかわいさも感じたりして、いろいろなことを抜きにしても個人的にインパクト抜群の好きな絵です。子供の頃から、テレビでも見れる頻度が高いので、親しみやすさもある人も多いでしょうか。
市松人形についてですが、市松模様とはどういう柄か?については、個人的には格子や碁盤柄、色の違いがある四角形が交互にあるイメージと説明するよりは、省略して簡単に「チェック」というほうがわかりやすそうなイメージです。例えば、市松模様の食べ物だとクッキーがあります。和と洋の競演、おしゃれで2つの味を楽しめる美味しいデザインのお菓子というイメージで、食べたくなります。
H張子人形(はりこにんぎょう)
中が空洞でとても軽い人形、例えば、だるまや起き上がりこぼし、虎や提灯などの名前も入れてみると説明のときにわかってもらえやすいかもしれない人形です。張り子人形の中では特に東京、江戸犬張子(えどいぬはりこ)が好きですが、小学生の時に赤べこを作ったときにこんなに軽くておもしろいものがあることに感動しました。(民芸品玩具そのものがおもしろいのですが)指でちょんと触ると、首というのか頭がゆらゆら不規則に動いて楽しいです。
ほうこさん(香川県の高松張子)や広島張り子、沖縄県の琉球張り子、三春張り子(福島県)など気になります。素朴なかわいい顔だったり、個人的にかぶりものが好きなので、獅子頭(ししがしら)の張り子も手に持ってみたいです。
I土人形(つちにんぎょう)
京都府の伏見人形(ふしみにんぎょう)や、宮城県の堤人形(つつみにんぎょう)、長崎県の古賀人形(こがにんぎょう)etc.ものすごくあります。富山県の土人形もあります。どことなく伏見はおまんじゅうのイメージがあり、お饅頭を2つに割って誰かと食べるのが好きなこともあるのか、目の前が開ける感じです。
J木目込人形(きめこみにんぎょう)
最初読めませんでした(もめこみと読んでました)。人形は木で作られていて衣装などの布の端を埋め込む感じをイメージするとわかりやすいかもしれないです。うめこむ→きめこむに展開するイメージとか、名前にもおもしろさがあります。
Kこけし
絵付け・髪型に注目したり、胴体以外の頭の絵柄や色合い、何色を使ってるかやどんな模様が描かれてるかなど、細いか太いかもそうですが、体の直線具合や曲線、カーブなど肩とか体型etc.どんな表情か?などもついチェックしてしまいます。
聴覚刺激系、音が鳴るこけしも気になるところですが、また新しくピックアップします。手足の見えない人形に前から注目している関係で、姉様人形と同じでこけしにも同じ可能性を感じています。
L芥子人形(けしにんぎょう)
ミニチュアの小さな世界観が好きな人なら、ハマる人も多いかもしれないと思うのが芥子人形だったりします。
M雛人形(ひなにんぎょう)
おひなさまでチェックしてる人や、日本の人形といえば雛人形をイメージする人も多いかもしれないです。ひな祭りの英語だとドールフェスティバル(Doll Festival)やガールズデイ(Girls` Day)のような感じで、何気に人形のお祭りという意識がそれほどなかったのでそのときはおどろきました。雛人形もいろいろな種類があって、立ち雛(たちびな)とか寛永雛(かんえいびな)、有職雛(ゆうそくびな)とか次郎左衛門雛(じろうざえもんびな)などetc.いろいろ目白押しです。
古今雛(こきんびな)に親しみを感じる人も多いかと思います。個人的には享保雛(きょうほびな)のゆったり感の中のシュッとした引き締まり感や、次郎左衛門雛の丸い顔とかかわいい感じでもっとよく見てみたくなります。ちょこんとしたかわいい口、小さめの鼻に細い目など、次郎左衛門雛から、開放感を感じます。
絵画系で突き詰めていくと、ファン・エイク(画家の名前)の「アルノルフィニ夫妻の肖像(作品名)」の絵画も連想します。男女だからなのか、雛人形を見ているとそうなります。なんとなく顔の感じがどことなく似てるような気がするからかもしれないです(女性の服が緑色で2人の手が中心になっているあの構図の絵です)。小野小町や百人一首、竹取物語の絵とかも気になるかもしれないですが、ほかにモディリアーニ(画家の名前)の絵の細長い顔を少し短くしたイメージも、卵型の顔とか細い目やそのあたりの影響からなのか、たまに脳裏をよぎったりします。
桃の節句、ひな祭りといえば埼玉県の岩槻市や千葉県のあの大きなひな祭りも気になります。勝浦市の石段の雛人形や鴻巣雛(こうのすびな)のインパクトもすごいです。不器用ですが作り方も気になります。子供の頃に小さな川でハマった笹舟レースとか盛り上がって面白かったですが(竹の笹の葉で作る)、鳥取県の流し雛などもなんとなく女の子っぽくてあこがれます。
雛人形を見るときに個人的にチェックしているポイントは襟(えり)や裾(すそ)袖の部分が多いです。左右対称性も見ると楽しいですが、髪の毛のツヤ、十二単(じゅうにひとえ)の衣装の布選びとか、十二単の絵みたいなああいう雰囲気の衣装を描きたいときに、パッと視界が開くイメージです。
突き詰めていくと、雛人形の顔だったら髪の生え際とか、人形の眉毛の描き方もポイントです。そういうところもチェックするとさらにおもしろくなります。
きれいな色合いや柄も注目ですが、プロの職人さん達の顔の細部の細かさなど、尊敬します。盛り上がってるでっぱり部分やくぼみのところなど、自分で実際にやったらプルプル緊張で手が震えると思いますが、立体に細筆で緻密に描いてることに感動します。
五月人形(さつきにんぎょう)がこどもの日(端午の節句)なら、雛人形はひなまつり(桃の節句)という感じで昔なじみというのか親しみ深さが強めです。ひな祭りが近くなると、お祝いの雰囲気だったりムードが高まってワクワクする人たちが多いのも、可愛いイラストなどもふくめて、色彩的にピンクや黄色や赤など暖色系カラフルメニューを見かけることが多くなるのも理由かもしれないですが、いろいろなイラストレーターさんやデザイナーさんのおしゃれイラストがお店に増えてくると、つい見てしまいます。
N形代(かたしろ)
人形(ひとかた、ひとがた)の人形です。大きな神社に偶然行った時、行事で人がたくさんいて盛り上がってたので、たまたま覗きに行ったら、偶然それをやっていて興味もあったので私もやってこれてうれしかったです。
そのときの書き方は、確か名前を書いたと思います(住所は覚えてないですが)。読み方が、ひとかたからにんぎょうに変化した流れも面白いと思いますが、撫で物(なでもの)っぽいものなど、つい触ってしまいます。天児(あまがつ)や這子(はうこ)も平安時代頃からということで、魅力的な人形の1つです。
O竹田人形
絵心をくすぐる人形です。綺麗やかっこいいという表現もそうですが、特徴的で見てほしいおすすめポイントは、そのポーズです。姿勢やポージング系などの参考や勉強になる印象で、スイッチが入ります。
Pからくり人形系
写真を見るだけでも楽しめる人形(西洋の自動人形や機械仕掛け人形だったりオートマタも興味深いです)。オルゴールやおもちゃのぜんまいを巻く音なども好きなつながりですが、実際にお茶を運んでるところを見てみたい茶運び人形、踊る人形、文字書き人形など、目白押しです。今のロボットもすごいですが、この時代のものと同時に一緒に合わせてチェックしてみるとおもしろそうです。仕組みだったり「この中がどうなっているのか?」中身も覗いて見たい人形です。
意外かもしれませんが、生身の人間に対しては特に気にならないです。顔も服もなんでもいいです。人形は平面のイラストや絵ではないので、人形と絵で分野は違いますが、こういった同じところや共通するところがいっぱいあるのがうれしいポイントです。テディベアなどのぬいぐるみやフィギュア、仏像や彫刻のチェックポイントもよぎりましたが、また新しく追加することにします。
完璧にはできないタイプですが、今日も一日、お付き合いいただいてありがとうございます!!
参考資料
是澤博昭. 人形. 東京, 文溪堂, 2017, 31p.
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